仕事を減らしたい人へ|資産を育てながら、自分の時間を取り戻す方法
「もう少し、自分の時間がほしい」
そう思っても、毎月の支払いを考えると、簡単には仕事を減らせない。
生活費がかかる。将来にも備えたい。家族のことを考えれば、自分の希望だけでは決められない。
だから、旅行も、学び直しも、やってみたい仕事も、もう少し落ち着いてから。
ところが、その日はなかなか来ない。
仕事に慣れれば、次の仕事を任される。貯金が増えれば、もう少しあったほうが安心だと思う。以前より稼げるようになったのに、自分の時間は増えていない。
もし、働かなくても暮らせるだけのお金があれば。
そう考えることもある。でも、そこまで待たないと、毎日を変えられないのだろうか。
将来への備えを育てながら、今の働き方を少しずつ変える方法もある。
最終的に必要な資産の半分を先に用意し、その後は生活費を稼ぎながら、資産の運用を続ける。その見通しに合わせて、仕事の量や役割を見直していく。
そして、増えた時間を何に使いたいかを考える。
家族と過ごす。少し休む。学び直す。別の仕事を試す。
半分といっても、簡単に用意できるお金ではない。暮らしを支えながら、時間をかけて進む道になる。
それでも、そこに届くまで、すべてを後回しにしなくていい。少し休む、負担を減らす、気になる仕事を知る。今の自分にも、選べることがあるかもしれない。
この記事では、お金の準備と一緒に、これからの生きかたを探す「時おりマップ」を使って、自分に合う道を探していこう。
この記事の道案内
1.まず、どんな時間を増やしたいか

仕事を減らしたい理由は、人によって違う。
仕事内容は好きだけれど、今の量では続けられない。もっと家族と過ごしたい。ずっと気になっていたことを学びたい。まず、ゆっくり眠りたい。
どれも、働き方を考え直す理由になる。
理想の休日より、普通の平日を思い浮かべる
自由な時間ができたら何をしたいかと聞かれると、長い旅行や、大きな挑戦を思い浮かべるかもしれない。
それも楽しみだ。でも、暮らしの大半は普通の日だ。
急がず朝ごはんを食べる。明るいうちに帰る。夕飯を食べながら、家族の話を聞く。寝る前に、読みたかった本を開く。
そんな日が増えるだけでも、毎日は変わる。
仕事を減らす目的は、働かない日を数えることだけではない。過ごしたい毎日を増やすことだ。
まずは、次の二つを考えてみよう。
- 今の一週間で、減らしたい負担は何か。
- 空いた時間で、増やしたいことは何か。
「忙しい」なら、「帰宅後に何もする気力が残らない」まで具体的にしてみる。
「自由になりたい」なら、「平日に学ぶ時間を持ちたい」「休日の仕事の連絡を減らしたい」と言葉にしてみる。
何を変えたいかがわかると、お金の目標や仕事の選び方にも、理由ができる。
立派な希望でなくていい
資格を取りたい。事業を始めたい。そういう希望もいい。
ただ、時間ができたからといって、また成果を出す予定で埋めなくてもいい。
散歩したい。昼寝したい。何も決めない日がほしい。
それも、自分が時間を使いたいことだ。休日にまで、成長計画を提出しなくていい。
まだ何をしたいかわからないなら、「まず休みたい」から考え始めてもいい。
2.「時おりマップ」で、気になる道を探す
仕事を減らしたあとの生きかたは、一つではない。
今の仕事を続けながら量を減らす。職場を変える。個人で仕事を受ける。家族や学びに時間を使う。
選択肢を、六つの方向にまとめた。それが「時おりマップ」だ。
一度選んだら、その道をずっと進まなければならないわけではない。備えが育ったとき、少し疲れたとき、やってみたいことが変わったとき。時おり、このマップに戻ってきてほしい。

今の自分に問いかけ、その答えに合わせて、次の道を選んでいい。
これから、どんな時間を増やしたい?
気になるところから、読んでみよう。一つでも、いくつ組み合わせても大丈夫だ。
ひと息つく
休む時間を、予定の余りものにしない。
- しばらく仕事を休む
- 今を楽しむ
- 負担になった副業をやめる
休んだら何かを成し遂げなければ、と思わなくてもいい。まず眠り、散歩をして、予定のない日を過ごす。
将来の準備を続けながら、今を楽しむ時間や予算を持つことも考えられる。
働く量・条件を変える
仕事を続けながら、無理のない量を探す。
- 勤務日数・時間を減らす
- 仕事を分け合う
- 季節限定で働く
- 今の職場で、担当や働く条件を変える
会社を辞めなくても、担当や役割を調整する道はあるかもしれない。
勤務だけ減って、仕事がそのままでは負担は変わりにくい。担当と時間を、合わせて見直していこう。
仕事・職場を変える
今までの経験を持って、違う環境へ進む。
- 自分に合う職場へ移る
- 別の職種に挑戦する
- 気になる仕事を体験する
仕事は好きでも、今の職場が合わないことはある。ずっと得意だった仕事より、これから試したい仕事が気になることもある。
求人を見る、人に話を聞く、仕事を体験する。決める前に、知るところから始めてもいい。
自分で仕事をつくる
会社の外で、自分に合う仕事の持ち方を試す。
- 個人で仕事を受ける
- 小さな事業を始める・育てる
- 複数の仕事を組み合わせる
会社員を続けながら、仕事を一つ受けてみる。休日に小さく販売してみる。勤務を減らして、別の仕事も持つ。
自分で働くことは、最初から大きく起業することだけではない。
働く場所・住む場所を変える
仕事と住まいの組み合わせを見直す。
- リモートで働く
- 移住する
- 海外で働く
- 旅しながら働く
通勤を減らす。好きな町に住む。違う土地で暮らしてみる。
景色だけでなく、仕事の条件や生活費、家族、人とのつながりも一緒に考えたい。
暮らしの中心を変える
仕事以外の大切なことに、時間を置く。
- 家族との時間を増やす
- 学び直す
- ボランティアをする
子育てや介護に関わる。関心のあることを学ぶ。地域の活動に参加する。
収入につながらなくても、自分が時間を使いたいことは大切にしていい。家族を支える時間と、自分が休める時間の両方を考えておこう。
道は、組み合わせてもいい

「短時間で働きながら、学び直す」
「少し休んでから、自分に合う職場を探す」
「今の会社を続けながら、小さな事業を試す」
どれか一つに決める必要はない。合わなければ、途中で選び直してもいい。
全部を実現する必要もない。今、少し気になるものを一つ選んでみよう。
このマップは、人生を決める試験ではない。今の自分が進みたい方向を、見つけるためのものだ。
「今は少し休みたい」。そこから始めて、余裕が戻ったら学んでみる。学ぶうちに、違う仕事にも興味が出てくるかもしれない。
今見つけた道が、その先の道につながることもある。最初から、行き先を全部決めなくていい。
3.目標の半分まで用意したら、働き方を変える道がある
気になる道が見つかったら、次は、それを支えるお金を考えよう。

ここで紹介したいのは、最終目標の半分まで資産を用意し、その後は生活費を稼ぎながら、資産が育つ時間を持つという考え方だ。
例えば、将来の資産目標を3,000万円とするなら、まず目指すのは、その半分の1,500万円。
そこから先も、同じ仕事で同じ額を積み立て続けることだけが道ではない。生活費をまかなえる仕事を残し、将来の資産は運用を続けながら、働く量や役割を見直す。
その時間を使って、「時おりマップ」で選んだことを少しずつ始めていく。
3,000万円を全部貯める前に、途中の暮らしを変える
最終目標まで、ずっと同じペースで働いて貯め続ける。そのあとで、やりたかったことを始める。
そう考えると、自由な時間は、まだ遠い先にあるように感じる。
そこで、目標の半分を、働き方を見直す中間地点として置いてみる。
| 段階 | 資産の役割 | 仕事の役割 |
|---|---|---|
| まず1,500万円を用意する | 積み立てと運用で、将来の土台をつくる | 今の生活費と、資産への積み立てをまかなう |
| 生活費を稼ぎながら、資産を育てる | 原則として取り崩さず、3,000万円を目指して運用を続ける | 今の暮らしに必要なお金を稼ぐ |
| 最終目標に近づいたら、選び直す | 年金などと合わせ、使い方を考える | 続けるか、さらに減らすかを希望と家計で考える |
真ん中の段階では、資産への追加の積み立てを止める設計になる。その分、仕事で稼ぐ必要のある額を見直せる可能性がある。
これまでは「生活費と、将来の積み立てのため」に働いていた。ここからは「今の生活費をまかなうため」の仕事を選び直していく。
もちろん、収入を減らせても、勤務時間を減らせるとは限らない。担当の調整や転職など、実際に選べる条件も確かめる。
半分までの道のりも、簡単ではない
半分といっても、大きなお金だ。毎月の暮らしを支えながら貯めるには、時間がかかる。思うように残せない時期もある。
家族のために使ったお金や、体を休めるために必要だった出費まで、「目標を遠ざけた」と考えなくていい。それも、大切な暮らしを支えたお金だ。
積み立てを続けられる時期は続ける。難しい時期は、額を減らしたり、一度休んだりする。その分、目標に届く時期も見直していく。
資産の目標を追うために、睡眠や健康、家族との時間を削り続ける形になっていたら、ペースを変えてもいい。
そして、途中にも選べることがある。
負担になった副業をやめる。担当を一つ相談する。有給で休む。気になる仕事の話を聞く。
資産を増やすことと、今日の負担を少し減らすこと。どちらも、これからの自分を支える準備になる。
目標までの年月にも、自分が過ごしたかった時間を少しずつ残していこう。
備えが少し育つと、考えられることも変わる
手元に備えができると、急な出費をすべて次の給料でまかなわなくてもよくなる。今の仕事を続けながら、別の求人を落ち着いて見る余地が生まれるかもしれない。
さらに準備が進めば、仕事を変える間に休む、短時間勤務を相談するなど、考えられる道も広がっていく。
どこまで選べるかは、家計や仕事の条件によって違う。それでも、最終目標に届く日まで、選択肢が一つも増えないわけではない。
今は転職を決められなくても、希望条件を知ることはできる。独立できなくても、自分の経験を必要とする仕事を探すことはできる。
お金の備えと、仕事を知る経験。その両方が育つと、今の職場を続ける場合にも、以前より自分の希望を考えやすくなる。
ここまでの準備を振り返るときは、資産額だけでなく、「前より何を選べるようになったか」も見てみよう。
半分の資産が、その先の準備を続ける
1,500万円を、日々の生活費には使わず、運用を続ける。
運用で得た利益も使わずに残せば、その利益も含めて次の運用につながる。これが複利の考え方だ。
資産を追加して増やす時期から、資産を運用しながら待つ時期へ移る。その間も、生活費は仕事でまかなう。
例えば、物価上昇や税・手数料を差し引いたあと、毎年一定の年4%で増えると仮定すると、1,500万円が3,000万円になるまで約18年かかる。追加の積み立ても、取り崩しもしない場合の単純な計算だ。
実際の運用は毎年同じようには増えない。もっと長くかかったり、目標に届かなかったりすることもある。だから、その間に続ける仕事と、現金の備えも考えておく。
半分で準備が終わるのではない。半分から先の準備を、生活費を稼ぐ仕事と、資産の運用を組み合わせて続ける。
その途中の年月を、今までと同じ働き方だけで過ごさなくてもよい、ということだ。
その間に、マップで選んだ生きかたを始める
例えば、「勤務を減らして、学び直す」。
生活費と学ぶ費用を稼げる仕事を残し、空いた時間を学びに使う。将来のための資産は、その間も運用を続ける。
「家族との時間を増やす」なら、帰宅時間や休みやすさを大切に仕事を選ぶ。「小さな事業を持つ」なら、生活費を支える仕事を残し、無理のない予算で試す。
お金を育てる年月と、選んだ生きかたを試す年月が重なる。
完全に仕事を辞められる日が先でも、その途中に、自分が過ごしたかった日を増やしていけるかもしれない。
ここで、資産の準備とマップがつながる。
1,500万円は、誰にでも同じ出発点ではない
3,000万円は、仕組みをつかむための仮の最終目標だ。その金額で将来を支えられるかは、年齢、生活費、家族の予定、年金、資産を使う期間によって違う。
最終目標が変われば、中間目標も変わる。1,500万円という数字だけで、積み立てを止めたり、退職したりしてよいわけではない。
暮らしを守る現金や、学費・休暇・引っ越しなど近く使うお金は、運用を続ける資産とは別に考えておく。
そのうえで、生活費を稼ぐ仕事を続けられるか、資産が想定より育たなくても計画を調整できるかを確かめる。
必要なら、少し積み立てを続けながら勤務を減らしてもいい。その場合は、追加の積み立てを止める基本の設計を、自分の暮らしに合わせて調整することになる。
大切なのは、半分という区切りを使って、将来の備えと今の時間を一緒に考えることだ。
働き方を変える日は、自分の条件で考える
中間目標に届いても、すぐに仕事を減らさなくていい。家族の予定や仕事の条件が合う時期まで、準備を続ける選び方もある。
その間に、希望する仕事を調べたり、引き継ぎを考えたり、小さな体験を重ねたりできる。
「減らす道もある」と知ったうえで、今の仕事を続ける。以前は続けるしかないと思っていた働き方も、選んで続けるものに変わるかもしれない。
目標に届いた日だけでなく、そこまでに増えた備えや経験も、自分の支えになる。
4.選んだ生きかたに合わせて、仕事とお金を整える
「もう少し自由になりたい」から、気になる道が少し見えてきた。
その道を続けられるように、仕事とお金の組み合わせを考えてみよう。
学び直したいなら、学べる働き方を探す
勤務を減らせれば、学ぶ時間ができるかもしれない。
ただ、休みの日にも仕事の連絡が続くなら、落ち着いて学びにくい。講座の曜日と仕事の予定が合わなければ、通うことも難しい。
必要な収入と一緒に、学べる時間、担当の範囲、休む日の連絡も確かめたい。
将来への積み立てを調整できるなら、その分を時間に変える方法を考える。まだ難しければ、今の勤務のまま始められる学び方を探す。
どちらも、同じ希望へ向かう道だ。
最初は講座を知るだけでもいい。少し学んでみると、続けたいことや、思っていたほど興味のないことがわかってくる。その経験が、次に仕事や時間を選ぶときの手がかりになる。
小さな事業を持ちたいなら、生活を支える仕事も残す
自分の仕事を始めたいからといって、すぐに会社を辞める必要はない。
生活費をまかなう仕事を続けながら、小さく試せることもある。勤務先のルールを確かめ、使える時間と予算の中で始めてみる。
実際に仕事を受けると、売上だけでなく、準備や営業、経費、顧客対応の負担も見えてくる。
将来のための資産を育てながら、今の生活は仕事で支え、事業は無理のない規模で試す。続けられそうなら、仕事の組み合わせを少しずつ変えていく。
初めから、その事業だけで暮らせるはずだと考えず、実際の収入を確かめてから進めたい。
小さな仕事を続けてみると、「この経験を使える場所は、今の会社だけではない」と気づくことがある。それで転職したくなることもあれば、会社員の仕事を残す安心感がわかることもある。
どちらを選んでも、自分に合う仕事の持ち方を知る経験になる。
家族との時間を増やしたいなら、帰宅後の暮らしを見る
仕事を選ぶとき、年収はわかりやすい。
でも、家族との時間がほしいなら、帰宅時間、通勤、休みやすさも大切になる。
少し早く帰れることで、夕飯を一緒に食べられる。通勤が短くなれば、朝の支度を分担できる。
収入が変わったときに家計が成り立つかを確かめたうえで、どんな毎日になるかも比べてみよう。
家族には、希望だけでなく、仕事と収入がどう変わるかも伝える。自分の余裕が、誰かの負担を増やす形になっていないかを、一緒に考えたい。
休みたいなら、休むためのお金を分けておく
まとまって休む間は、仕事の収入が減ることがある。
休む費用は、将来のために運用する資産とは分けて考える。生活費だけでなく、税・保険や、収入が戻るまでに必要なお金も確かめておこう。
そうすれば、長期の資産を残しながら、途中で休む期間を持てるかもしれない。
長期の資産から費用を使う場合には、将来の計画への影響も見る。大切なのは、お金の役割を自分でわかっていることだ。
休んだあと、同じ仕事に戻ってもいい。休んでみて、違う道に進みたくなってもいい。そのときは、マップを見ながら次の仕事を考えよう。
お金は、使う時期と目的で分ける
細かな計算に入る前に、次の三つを分けるだけでも、考えやすくなる。
- 今の暮らしと、急な出費を支えるお金。
- 休暇、学び、引っ越しなど、近いうちに使うお金。
- 将来のために、長く運用するお金。
合計の資産額だけで見ると、必要な支出を払ったあとに、長期の備えが足りなくなることがある。
近く使うお金まで、値動きの大きい資産に頼らないようにする。
勤務を減らす、退職する、個人で働くときには、変更後の手取りと、税・保険なども確認する。お金の詳しい見通しは、自分の条件で確かめてから実行しよう。
お金の準備は、選んだ道を遠ざけるためではなく、続けられる形を見つけるためにある。
5.生きかたは、一度に変えなくてもいい
マップで気になる道が見つかっても、いきなり大きな決断をする必要はない。
調べる。人に話す。小さく試す。
その結果を見てから、次を考えればいい。
「勤務を減らして学ぶ」なら、先に学んでみる
気になる講座を調べ、一回受けてみる。学ぶことが楽しかったか、続けたいと思ったかを確かめる。
そのあとで、学ぶ時間を増やすには、担当や勤務をどう変えられるかを相談する。
同時に、変更後の手取りを想定して生活してみる。時間ができることと、その収入で暮らせることの両方を見ていこう。
「別の仕事をしたい」なら、求人を見るところから
求人を見たからといって、転職しなければならないわけではない。
どんな仕事があり、何を求められ、どんな条件で働けるかを知る。人に話を聞く機会があれば、実際の仕事内容も確かめる。
調べてみて、今の職場で担当を変えるほうがよいと思うこともある。それも、自分で選び直した結果だ。
「場所を変えたい」なら、普通の日を過ごしてみる
旅行で好きになった町と、毎日暮らしやすい町は、重なることもあれば違うこともある。
買い物、通勤、通院。仕事をする場所。家族や友人との距離。
候補の場所で普通の平日を過ごせると、景色だけではわからなかったことが見えてくる。
リモート勤務にも、認められる勤務場所や出社の条件がある。海外なら、滞在や就労の条件も確認する。希望する場所で実際に働けるか、先に調べておこう。
一つ試すと、その先の道が見えてくる
例えば、最初は平日に休めるだけでうれしかったとする。
少し余裕ができると、学びたかったことを思い出す。学んでみたら、その分野の仕事にも興味が出てくる。
今の仕事を全部辞めなくてもいい。続けたい仕事を残しながら、新しいことを少し試してもいい。
すべてが順調に広がるとは限らない。それでも、経験したことで、自分が大切にしたい条件は少しずつ見えてくる。
一つ選んだことで、その先にも道があるとわかる。マップは、そんなときに何度でも見返せる。
自由になった時間を、また全部埋めなくていい
仕事を減らしたのに、家事や副業で前より忙しい。そんなことも起こりうる。
もともと、何のために時間がほしかったのか。ときどき、その問いに戻ってみよう。
学ぶ日なら、学ぶ時間と休む時間を残す。家族との時間なら、立派な予定を用意せず、一緒に食事をするだけでもいい。
小さな事業なら、仕事を受けない時間も決める。
空いた時間を全部使い切ることより、続けたい一週間になっていることを大切にしたい。
試すときは、見直す日も決める
使えるお金と時間の範囲を決め、試したあとに振り返る日を置いておく。
家計は無理なく続くか。仕事の量は減ったか。家族の負担はどうか。その時間を、もう少し続けたいか。
収入や住まいを大きく変える場合は、合わなかったときの仕事や住まい、必要な費用も確認する。いつでも簡単に戻れるとは限らないからだ。
うまくいかなければ、規模や頻度を変えても、別の選択肢を試してもいい。
ただ、疲れているなら、試すことを増やすより先に休む時間をつくってほしい。何かを始めることだけが、前に進む方法ではない。
6.少しずつ、選べる毎日を増やしていく
資産が増えたか。将来への備えは続けられているか。
それと同じように、マップで選んだ時間を使えたかも確かめたい。
家族とゆっくり食事をする日が増えた。仕事の連絡を気にせず休めた。学ぶ時間ができた。自分の仕事を試してみた。
そんな変化も、準備を進めた意味になる。
まだ中間目標に届いていなくても、支出を把握できた、働く条件を知った、希望を人に話せた。そうしたことも、次の選択を考える助けになる。
お金が増えない時期にも、経験やつながり、自分を休ませる方法が残ることがある。振り返るときは、そこにも目を向けてみよう。
お金と暮らしを、どちらも振り返る
資産が増えていても、望んでいた時間がいつまでも持てないなら、働き方を見直したいかもしれない。
追加の積み立てを減らして、資産の増え方が緩やかになっても、家計と将来の見通しが成り立ち、自分に合う毎日を送れているなら、その時間には意味がある。
もちろん、楽しい暮らしでも、お金の不足が広がっていたら調整が必要だ。相場の上下や仕事の収入も、予定どおりとは限らない。
資産の残高だけでなく、収入、支出、将来の備えを見る。そして、増やしたかった時間と、自分や家族の負担も見る。
備えが続くことと、選んだ時間を使えること。その両方を確かめよう。
時おりマップに戻って、今の希望を確かめる
学び直したら、その分野で働きたくなるかもしれない。
小さな事業を試したら、会社員の仕事も残すほうが自分に合うと感じるかもしれない。
少し休んだら、今の仕事をもう少し続けたくなることもある。
そんなときは、時おりマップを開いて、もう一度問いかけてみよう。
「今は、どんな時間を増やしたい?」
最初に選んだ道を、ずっと守り続ける必要はない。今の答えに合わせて、仕事とお金の計画も見直せばいい。
勤務を減らす時期を変える。積み立てを少し続ける。事業を小さくする。別の仕事を探す。
必要なときに仕事を増やせるとは限らないので、収入の候補と備えも合わせて考えておこう。
準備をしている今も、自分の人生の一部
お金を貯めることも、仕事を続けることも、これからの暮らしを支える大切な準備だ。
同時に、その準備をしている年月にも、家族や健康、やってみたいことに使える時間を残したい。
時おりマップには、今の仕事を続ける道も、変える道も、少し休む道もある。
その中から、自分が気になるものを一つ選んでみよう。
明るいうちに帰る。学ぶ日を持つ。少し休む。自分の仕事を始めてみる。
そのために、どんな仕事を残し、何を減らし、どんな備えをつくればよいだろうか。
将来への備えを育てながら、選びたい生きかたを少しずつ始める。
今は、気になる道について一つ調べてみる。できそうなら、時間を少し使ってみる。疲れているなら、予定を一つ減らすことからでもいい。
そうして得た余裕で、次にしたいことが見えてくるかもしれない。備えや経験が増えれば、以前は遠く感じていた道を、もう一度考えられることもある。
最終目標に向かう途中にも、自分で選べる場面はある。
今の自分が選べるところから、これからの航路をつくっていこう。
