40代・50代から、自分のために見直したい5つのこと
「このままの働き方を、いつまで続けるんだろう」
忙しい毎日の中で、ふと、そんなことを考える。
仕事が嫌いなわけではない。頼られるのもうれしい。生活のことを考えれば、収入も大切だ。
それでも、休みの日まで仕事が頭から離れない。やってみたかったことは、いつも後回しになる。
もう少し頑張れば、いつか余裕ができる。そう思ってきたけれど、その日はなかなか来ない。
そんなときは、新しい目標を増やす前に、今の暮らしを見直してみてもいい。
これからのキャリアは、自分が大切にしたい時間を守ることからも考えられる。
40代・50代になると、積み上げてきた経験も、引き受けている責任もある。それを全部手放す必要はない。ただ、今の自分に合う持ち方へ変えていくことはできるかもしれない。
そのために、五つのことを考えてみよう。
1.仕事のために、健康を後回しにしない
「今月を乗り切れば、少し落ち着く」
そう思っていたら、来月も別の忙しさが待っていた。
仕事は、一つ終われば次が来る。全部片づいてから休もうと思っていると、休む日は遠ざかっていく。
事情がわかるから引き受ける。自分でやったほうが早いから片づける。困っている人を見ると、手を貸す。
そうしているうちに、自分の時間が、いちばん調整しやすいものになっていないだろうか。
昼休みを短くする。帰る時間を遅くする。休日に少しだけ仕事をする。
その「少しだけ」を、毎回自分が引き受けなくていい。
仕事の予定と同じように、休む予定も守っていい。
新しい仕事を頼まれたら、今の担当のどれを減らせるかも相談する。自分しか知らない業務は、少しずつ共有する。予定を詰める前に、休む時間を残しておく。
もちろん、自分の工夫だけでは変えられないこともある。仕事の量が多すぎるなら、分担や体制を見直す話も必要になる。
休むために、倒れるほど疲れる日を待たなくていい。
仕事を大切にしてきたからこそ、これからも無理なく関われる形を探していこう。
2.人によく見られるために、自分の時間を使いすぎない
いい会社に勤めている。責任のある役職についている。暮らしにも余裕がある。
そんなふうに見られたい気持ちは、あってもいい。頑張ってきたことを認めてもらえたら、うれしい。
ただ、その評価を保つために、自分が過ごしたい毎日を後回しにしていないだろうか。
昇進の話はありがたい。でも、今より仕事が増えるのはつらい。
広い家に住んでいる。でも、本当はもう少し気楽に暮らしたい。
休日の予定を聞かれると何か答えたくなる。でも、家でのんびり過ごすのが好きだ。
そう感じるなら、その気持ちも選ぶ理由にしていい。
人に話すと立派に聞こえる暮らしと、自分が心地よく過ごせる暮らしは、同じとは限らない。
何かを決めるとき、こんなふうに聞いてみよう。
「これを誰にも話さないとしても、自分は選ぶだろうか」
挑戦したい仕事なら、挑戦していい。好きなものなら、楽しんでいい。
ただ、以前は欲しかったものを、今も欲しいとは限らない。今の自分の答えを、ときどき確かめてみたい。
3.収入が増えるたびに、生活費も増やさない
給料が上がったら、少しいいものを食べる。欲しかったものを買う。
頑張った分を楽しむ時間は、大切にしていい。
気にしておきたいのは、そのたびに「毎月必要なお金」まで増えていくことだ。
住居費、車、いくつもの月額サービス。一つずつは納得して選んだものでも、合わせると大きな負担になることがある。
すると、働き方を変えたくなっても、「今の収入を維持しないと暮らせない」というところで、考えが止まってしまう。
暮らしを全部小さくする必要はない。まずは、残したいものと、なくても困らないものを分けてみよう。
家族との外食は残したい。好きな本も買いたい。でも、ほとんど使っていない契約はやめてもよさそうだ。
そのくらいの、自分なりの加減でいい。
収入が増えた分を、すべて毎月の支出に変えずに残しておく。その余裕が、次の働き方を考える支えにもなる。
勤務を少し減らす。仕事を変える前に休む。気になる仕事を試してみる。
お金の使い方を見直すときは、何を我慢するかだけでなく、これからどんな時間を増やしたいかも考えてみよう。
4.お金のことを、「まだ先の話」にしない
将来のお金は気になる。でも、調べ始めると難しい言葉が多い。
考えるほど不安になって、そっと閉じてしまう。
最初から、老後のすべてを計算しようとしなくていい。まずは、今の暮らしに何が必要かを知るところから始めよう。
毎月の生活費。年に何度か出ていくお金。今ある貯蓄。これから予定している大きな支出。
ざっくり書き出すだけでも、何となく心配だったことが、少し具体的になる。
思っていたより支出が多いかもしれない。反対に、今ほどの収入がなくても暮らせそうだと気づくかもしれない。
今の数字を知ることは、これから何を選べるかを考える材料になる。
すぐに仕事を減らすのは難しくても、どんな準備があれば考えられるだろうか。休む期間を持つなら、その間のお金はどれくらい必要だろうか。
家族と暮らしているなら、これからの希望や気がかりも、一緒に話してみたい。
立派な計画書をつくる必要はない。まずは家計を一度眺めて、わからないことを一つ見つける。そのくらいからでいい。
5.今の仕事が、ずっと続くことを前提にしない
今の職場で、これからも働きたい。慣れた仕事を続けたい。
そう思えるなら、その気持ちは大切にしていい。
一方で、会社の方針が変わることもある。家族の事情や、自分の体調が変わることもある。
今は好きな仕事でも、数年後には、違う働き方を望んでいるかもしれない。
だから、ときどき会社の外にも目を向けておこう。
以前の同僚と話す。気になる仕事について調べる。これまでの経験を、職務経歴書に書いてみる。
転職すると決めていなくても、できることだ。
「特別な実績はない」と感じるなら、日々の仕事から思い出してみよう。
難しい問い合わせに対応してきた。関係者の間に入って仕事を進めた。新人が迷わないように手順を整えた。
何気なく続けてきたことも、書いてみると、別の場所で役立つ経験として見えてくることがある。
外の仕事を知ったうえで、今の仕事を続ける。それも、自分で選んだ働き方になる。
選択肢は、転職だけではない。部署を変える。担当を調整する。勤務時間を相談する。会社の外で、小さな活動を始める。
「時おり、マップ。」にも、今の仕事を続けながら変えられる道がある。
会社を辞めるか、今のまま我慢するか。その二つの間にも、自分に合う働き方を探してみよう。

これからの自分のために、一つ見直してみる
五つ並べると、またやることが増えたように感じるかもしれない。
全部を一度に変えなくていい。
仕事を持ち帰らない日をつくる。使っていない契約を一つ確認する。気になっていた仕事について調べる。
今の自分にできそうなことを、一つ選んでみよう。疲れているなら、予定を一つ減らすことからでもいい。
これまで積み上げてきたものには、これからも残したいものがある。同時に、そろそろ持ち方を変えていいものもある。
前は欲しかった役職を、今はそれほど望んでいない。前は平気だった忙しさが、今は少しつらい。
そうした変化に気づいたら、今の自分に合わせて選び直していい。
経験を生かしながら、働く量を減らす。収入を確かめながら、違う仕事を探す。将来の備えを続けながら、今を楽しむ時間も残す。
これまで頑張ってきたことを、これからの余裕につなげていこう。
明るいうちに帰る。ゆっくり食事をする。気になっていたことを学ぶ。
そんな普通の日を増やすために、今日、何を少し変えられるだろうか。
自分の時間を大切にする働き方は、今の暮らしを一つ見直すところから始められる。
